小手返しは合気道の独特の技だと思っている人が多いと思いますが、この技は少林寺拳法や空手の技の中にも存在しますし、中国の拳法の中にも存在する通俗的なわざですので、この技で合気道の自慢をすると恥じをかくことになります。小手を返して、相手をうつ伏せにするのは捕り手術の手法で、徳川時代に町方役人が犯人を捕らえた時に取り縄を掛けるためにこの形が必要になったわけです。相手の手や自分の手をいじっていれば直ぐに思いつく技法でおそらく大昔から存在していたと思います。技法とすれば、短刀取り、片手取り、両手取り、突き等に分類できます。しかし、私の経験では合気道の小手返しと少林寺拳法の小手返しには明確な違いをかんじます。少林寺拳法の小手返しはとにかく痛い、それに対して私の道場の小手返しはあまり痛くない。それは経絡の考え方の違いだと思います。指導者により(すごく痛めつける指導者もいます)異なりますが、(和合、調和、禅)を指向する合気道には相手を壊す技を嫌う傾向があると思いますが、演武では見た目を意識した飛び受け身が多く見られます。