捨ててこそ浮かぶ瀬もあり」捨て身の覚悟で取り組めば、危機を脱し活路を見出せるということで、溺れかけたときはもがけばもがく程深みにはまるものであり、捨て身になって、ヨガの死人のポーズのように 全身の力を抜き(脱力して)流れに身を任せれば、やがて浅瀬に立つことができるという意味です。しかし、人間は気が動転して「溺れる者は藁(わら)をもつかむ」で判断力を失います。合気道では掴まれた手を必死に振りほどいても手は離脱できません。掴まれた部分は捨ててこそ(全身の脱力ではありません、掴まれた部分のみを脱力する、これが難しいのですが)技は成立します。掴まれた部分を捨てるとつかんだ人は判断力を失い、実から虚に変わります。