禅では不動明王の聖なる剣は生き物を殺すためではなく、仏徳の流行を阻む一切の敵を滅さんとすると言っています。合気道では剣は手刀に置き換わります。素手ではあるが素手ではない。手刀の一振りで殺人にいたる恐れがあるけれども、手刀はつねに活人(人を成長させ生かす)剣でなければなりません。合気技の中に全てがある。技の中に全ての心理がある。そして技の中に宇宙があると信じて稽古に励むことが人を生かし、自分も生きることが可能となる。日本刀は日本人の精神の象徴です。決して人を切るために作刀家は製作していません。刀は自分のよこしまな心を切る活人刀となることで本来の刀となります。合気道は相手を殺傷することを目的としていません。切磋琢磨(自分磨き)の稽古に重きを置きます。
八幡町八幡宮隣の大聖護国寺の不動明王
