


私は東洋文明とひとくくりにしないで島国日本は別種の日本文化と考えます。西洋文化の美的な考えの代表である庭園を例にあげると西洋式は空間の中に人為的に、幾何学的に植えた植木や人物彫刻、泉、圧力をかけて吹き上がる噴水を美と捉えているようです。そこにある精神は人の想像力を主体とした対自然という発想ではないかと感じます。
それに対して日本文化の庭園を考えると、もともと景色の良いところを選んで美的にいらない植物を引き抜き、人が美を感じる山河を創造します。禅寺の庭園は宇宙との一体化を感じます。比較すると西洋の庭の角ばった石に対し禅庭園では自然石に、幾何学的な石の並びは飛び石に、彫刻は灯篭、石仏に、泉(トレビの泉他)は池や小川に、上に上がる噴水は下に落ちる滝に美を感じているようです。西洋文化の人工物に対して、日本文化はより自然の姿を人の美的感覚に合う(雑然とした自然を超える)ように、、再構築して楽しんでいると感じます。合気道の考え方もより自然に和することを是として稽古をしています。筋肉アップの西洋文化に対して筋肉の衰えた老人になっても若者を手玉に取る合気の技術は日本文化としてとらえると奥が深いと思います。