心・技・体の一致と言う言葉がある。この三点が一致した時に人間は最高の力を発揮するという日本の武道で良く使われる言葉で剣道の試合ではここのところが重要視されます。しかし、合気道では「心→体→技」だと私は考えています。病は気からと言う言葉がある通り心は体に直接影響を与えます。大勢の人の前での発表や講習、有名な武道家と試合をするのに平常心で戦うのは難しい。しかし平常心無しに心・技・体の一致は成立しない。結局は「絶対の自信の技〔相手を超えていると言うことを自分が信じる心〕が体の緊張をほぐして柔らかな体に変え 自分の実力相応の技が生まれる」と言うことだと思う。普段の稽古において高段者との稽古と初心者との稽古は気持ち〔心〕が左右していることを感じるはず、ですから、平常心が保てるし 気が楽だからといって初心者ばかり相手に稽古していたのでは〔心〕の稽古になりませんから色々の人と稽古をする必要がある訳です。道場に自分より上手の人がいなければ出稽古も必要になる。そして沢山稽古をして自分の得意な技を増やすこと。そうすれば自然に「自分を信じる」という「自信」が自己暗示の〔心〕となり相手を呑みこんでしまう。かつて、ヘビー級チャンピョンのボクサーでカシアスクレイと言う英雄がいました。彼は練習だけでは無く、鏡に向って「お前は世界一強い」と自己暗示を掛けていたそうです。自己催眠と私は考えています。達人という人は自己催眠の達人だと考えています。これができればああいう技、こういう技と考えるのでは無く、技を超えた体つまり心→体→技という過程になると思います。