
プロ野球のバッターは18.8メートル離れたところから投げる時速150キロのボールを打ち返さなければならない。このボールを打つためにはピッチャーの手元から離れたボールをずっと見つづけていないと撃てない、途中で見失ったらホームランはおろか、ピッチャーゴロさえも打つことができない。バッターが打ったボールをキャッチするのも点ではなく線で捕らえないとキャッチは難しい。ボクシングや空手のパンチやキックをかわしたり、捕らえるのもやはり点ではなく、線で捕らえないと簡単にやられてしまう。合気道の稽古においても、線を意識して稽古したほうが良い。固め技でも投げ技でも線を意識したほうが良い結果となる。例えば、二教の裏技で手首を利かせることばかり気にしている人がいるが、これは手首という点を攻めていることになり、これはまずい二教です。良い二教の裏は手首から尾低骨まで一つの線となっている。受けの体全体が効いている。突きを交わす場合、相手の体の起こりから拳が届くまでの一つの線を、線で捕らえて固め技等の技に移行させていく。小手返しもいきなり相手の腕をつかまない事。