庭屋一如(ていおくいちにょ)とは家と庭が一体化している表現です。日本人は古来より自然と対話して生きてきました。自然の中に存在することが癒やしであり、自然の懐に抱かれて生活することが庭屋一如(ていおくいちにょ)です。自然と人間との間に境を作ると自然破壊が始まり砂漠化がおこります。そうして多くの文明は幾度となく崩壊してきました。日本古来の伝統武術が変わらないで守ってきたことに「悟道」があり、変わってきたことは他国の武術に適応する技術だと思います。和洋折衷の考え方は日本人の知恵であり、生きる道です。あるときは唐様、あるときは西洋、あるときは東洋の文明を受け入れ、時代の風の中で現代を生きています。日本人の変わらない伝統文化は松を芭蕉の言葉を借りると「造化に従い四時を友とする」自然の変化とともに生きることこそ最善の生き方であるという日本人の生き方こそ理想の生き方だと言うことです。合気道は試合を放棄したことで相手との一体化、禊ぎ、和合、調和等の思考が生まれ、日本人の美意識に最も合った武道では無いかと思って稽古をしています。私が道場を建てたのは ただ稽古をするのでは無く日本人に合った理想の空間、理想の環境で武道、悟道を探求するために建てました。格闘技マニアが来るような空間ではありません。