東洋思想において「理性」とは欲望をコントロールする自己規律の心を意味します。西洋的概念では、理性は「感情におぼれず、筋道を立てて物事を考え判断する能力」(大辞苑)とされ、欲望をコントロールする自己規律という内省的な意味はそれほど強くありません。東洋の伝統精神文化において学問の目的は人格の向上です。啓蒙主義と科学に土台を置いている西洋の学問とは発想が根本的に異なります。合気道は東洋思想である 倒したいという欲望をコントロールするとともに、西洋的概念である理性「感情におぼれず、筋道を立てて物事を考え判断する能力」を併せることで技が成立していると私は考えています。