禅は座禅を組んで只管打坐が有名です。只座して無になる。私のような凡人には難しい修行ですが、武道の達人白井亨は白隠禅師の内観法「念仏連丹、読経練丹、激剣練丹」により臍下(へそした)が充実し、元気が回復し真空活機を包む悟りを開いたとのことです。心と体が一致したときに自由精妙に木剣が動く「仏法に、苦行は悟りの因に非ず」この体験から白井亨は後進の人達に邪念をもって剣を学んだり、水を浴びたり等無益な労力をついやさないように「開道論、神妙録,天心録」を著したとのことです。合気道が試合をしない理由は邪念を捨てることが稽古の要諦、つまり強くなろう、相手を倒そう、恨みを晴らす、ストレス解消等のために習ってみようなどという邪念をすてることで自由精妙に体が動くことになる。

私の体の動きは外から見えない動きを常に心がけています。体の内部の流れを意識(内観)して稽古をしています。白井亨の悟道とは似て非なるものかも知れませんが、だれでも邪念をすてて稽古をすることはできると思います。


「稽古照今」、「味軌真守」の達人の書はこのことを言っていると思います。