合気道の昇級、昇段は稽古数を基本としています。そのために技の基本がしっかりしていなくても同数の稽古日数の人と一緒に昇級させざるをえないことになってしまいます。しかし、何が基本なのかと問われて即答できる人はいない。合気道の基本五原則、入身、転換、姿勢、構え、膝の使い方を理解しないでも昇級、昇段は可能です。ここが試合のない武道の問題点でもあります。たとえば一教の構えは剣の構えであり、足の向きや幅にも剣(剣道ではありません)の基本がある。けっして剣道でもフェンシングの構えでも、空手の構えでも、ボクシングの構えでもないがそうした構えの人にも昇級させざるをえない現実がある。しかし、注意しても、本人は教えられた構えのつもりでいるのかも知れません。稽古数で適当に昇級、昇段をしてしまうことがどこの道場でも起こり得ると思います。上級者になっても謙虚な姿勢で初級技と言われる技を熱心に探究することが大切だと思います。
一教が一番得意と言うなかれ