みんなが「正しいこと」をすると、全員がひどい目に遭う場合があります。「合成の誤謬」と言われるものです。例えば、劇場火災の際、各自が非常口に向かって走るのは「正しい」が、全員が非常口に集中することで皆が逃げられなくなってしまう。銀行の経営破綻の噂を聞いて預金引き出しに走るのは正しい行為だが、全員がそうしてしまうと本当に銀行が破産し、預金者全員が大変な目に遭ってしまう。同様に、人々が豊かになろうとして勤勉に働き、倹約に努めると、場合によっては皆が貧しくなってしまう。正しいという言葉は難しい。正しい基本のもとに時代に応じて臨機応変に変化することが臨ましい。正しいという漢字は一と止める、止めるに一(ふた)をすること、正しいけれどそれが時代に合っていない場合があることも加味することが良いと思います。



狸寝入り いつでも逃げられる噓寝 全員寝てたら?