人間が下を向いて歩いてしまうのは蛇が関係しているという説があります。小さな哺乳類は大昔から蛇におびえて生きてきました。毒蛇は足元から噛みついてきます。大蛇は噛みついた瞬間に巻きついてきます。蛇を怖がるのは人間だけではありません。クマに出くわした時は紐を投げつけるとへびと間違って逃げるし、子供の頃に教えてもらった経験では鶯の巣を見つける方法は死んだ蛇を鶯が見えるように歩いていると鶯は大騒ぎします。その近くに巣があります。哺乳類も鳥類も蛇に恐怖を感じるDNAが遺伝子に組み込まれているそうです。蛇が好きな人はどうかしているか、変わり者と思われても仕方ありません。つまり、姿勢を正して正面を向いて歩くことは人間の行動としては不自然なことなのかもしれません。猫背は注意されますが、武道の目付は相手の全体を見ることです、訓練しないと遺伝学的にはつい足元を見てしまうことになります。私の子供のころの遊び場は観音山の山中でした。蝮の多いところで、噛まれないように足下の気配と音に注意していたのが稽古になっていたとしたら、蛇に感謝です。隣のおじさんはワラビ採りで蝮に噛まれて病院に運ばれました。今は元気です。
道場の談話室(囲炉裏庵)
