癒〔いやし〕しとは、心を癒す、体を癒すというように「いやし」によって元気になって再出発するための方法です。そのためにはまず「体全体の活性が必要であり、無になる〔集中する〕時間を持つこと」が必要です、そのためには緑のなかを軽くハイキングをするか好きな運動、趣味に没頭するのが一番ですが、基本的に休日は土日だけで、これも家族やその他もろもろの都合でつぶれてしまうことが多いのが現実です。だから癒されないでストレスに負けてしまう人が多い訳です。武道なども、試合形式のものは、結局は運動神経や、体力が勝っている者がいつも勝つばかりで癒しになりません。

 

 仕事後の合気道は別の世界の中に入り込むことができます。合気道は試合もありません、お互いに何の利害関係もありません、投げられっぱなしもありません。交互に技を掛け合い、うまくいかない場合はうまくいくように努力します。新しい発見があると非常にうれしいものです。稽古中は仕事も家庭もなにもありません、ただ合気道があるだけです。ただし、気をつけなければならないことは、受け手に対しては、十分過ぎるほどに気を使うことです、自分がされたらいやなことは絶対にやらないことです。そして、本当の合気道を求めることです、本当の合気道は受けていて嫌味がないからです。それがお互いに楽しい、癒しの武道となっていくからです。決して力ずくで強引に倒す、相手に文句を言う、注文をつける武道ではありません。