

人が無意識にやる癖のなかで、面白いことに気が付く、例えば、牛乳〔ビンの〕を立って飲むときなぜか右手で飲む場合は左手を無意識に腰にあてている。これを不思議と考える人は少ない。真っ暗なところに行くと、誰でも不安を感じて、手探りをして歩く。人は不安定な状態のときは何かをつかんでいると安心する。「溺れるものは藁をもつかむ」これを合気道に当てはめると、人は崩された不安定な状態のときは何かにすがっていないといられない。牛乳を飲むときも無意識にバランスをとっている。当身〔霞の当て〕を当てられた時に目をつむる。「無意識に目を保護する」顔を保護するため手で防ぐ。等、全てにおいて合気道に応用可能である条件反射といえる。稽古鍛錬を積んだ先には無意識に動いてしまう「ゾーン」と言われる世界があります。無意識の中の意識を感じることは悟道の世界とも言われるようです。