群馬(榛東 柳沢寺)の五重塔


 仏教では目に見えるものは即ちこれは空〔くう〕と言っています。〔そら〕ではありません。空〔くう〕であって〔から〕でもありません。からではないということは真空〔まことのから〕ではないということです。だから〔空〕とはなにもないのではなく、宇宙の根本主体となっている「元霊」ということで、宇宙の生命の活動をおこなう「力」を生み出す「気」と言うものが保有されていると言うこと。現代物理学においても、物質を突き詰めていくと最後は何も無いような世界で物質は存在しないそうです。何も無いけどなにかある。ドイツの学者、プランク博士は常数Hと名づけています。物質は物質の意識がその形に成りたいがために気を導いてその形を作る。意識と気が分離したときに物質は解体して空となってしまう。合気道においては気をいかに活用するか、生命力の根本である気に目覚め、そこで呼吸の方法と体の運用を宇宙法則に合わせることにより合気と言う生命力が高められることに気づくことは開眼の一つでもあるそうです。気力が沸く、気力が充実する、気力を振り絞ってなどという言葉は普段普通に使われています。昔からの東洋の武術の考え方では、「意識が気を導き気が力〔パワー〕を導く」と言われています。