初心者は動きの無い掴まれた状態から稽古をして、崩しの理論を理解することが大切です。次の段階では、起承転結までの一つ一つの動きのポイントを確認して身につけること。片手取り一教で例えると、右半身で構えたときは、①受けは右手を左手でつかんできます。②次に取りは半身になり、③受け流しながら体を受けに向けて受けの体を畳に向けて左手を畳につかせる。④取りは左足を相手の体に向けて動かす。⑤軽く突き込みながら腹ばいに制する。この動作が確実にできるようになったら 流れの稽古に移ります。
昨今の稽古はいきなり流れの稽古から始まるため形を重視するため、受けに対する注文が日常化しているようにかんじます。植芝開祖が指導していた当時は「流れでは無い」固い稽古から始めたと聞いています。
流れの稽古は 極力相手を掴まないで流れの中に巻き込むこと、掴むと流れを止めてしまうことになります。合気は流れていること、相手を止めないこと、相手に違和感を持たせないこと、その結果、受けが気持ち良くついて来ることになります。そして相手と一体化する、それは、剣、杖、体術の理合と繋がっています。自分が止まると相手も止まる、これを踏まえて流れの技を考える、そうでない人は道場稽古(道場内のみ通用する武道)になってしまいます。