植芝盛平翁によって創始された合気道は柔術から大本教出口王仁三郎の影響を受けて「天地のこころを以って我が心とし、万有愛護の大精神を以って自己の使命を完遂することこそ武道の道であり、単なる武道はそれに至るべき道しるべにすぎない」という境地に達し、合気道を創始しました。合気道は相手の心身の動きと自分の心身の動きを合わせて相手と調和して一体となり、他者を包含した自他一体の状態になることを目標としています。稽古では力ずくではなく全身の動きを一つにして、無理なく自然に動くことを目指す。相手の動きに合わせ一体化するとともに相手を自己の一部のように扱いさばくのが合気道の極地とされる。合気道では、臍下丹田に気力を充実させ、腰、尻、肝〔はら〕が決まった体勢から全身につながった身体を使い転換することによって、隙なく大きな力を効率的に働かせるようにする。それによって、身体がいわゆる最も安定した正三角四面体の態勢になる。そして、この中心を軸にして球転運動がおこり、動けば動くほど重心が下がり安定感が増し、自分のこころの内奥に意識を向かわせることになる。 

 
 正四面体の体積