仏教には二つの方法論があるそうです。一つは小乗仏教、個人が修行を重ねて悟りを開くこと、もう一つは大乗仏教、全ての人達を悟りに導くことと解釈できます。日本仏教は大乗仏教が主流です。釈迦は沙羅双樹の基で悟りを開いたと言われますが、その後の足跡は自分の悟りを一般大衆に伝え、多くの人達に人の道を解いた訳ですから、仏教の本筋は大乗仏教です。
 

 合気道と仏教は関係ありませんが、合気道の良さや技術を伝える方法として、やはり二つのタイプがあります。一つは自分だけで修行を重ね上達する、自分で掴んだ核心は絶対に口外しない、見せる時はありきたりな演武しかしない。もう一つは出来うる限り人に伝える、そしてともに修行していくタイプです。少し年数を重ねると教えたがり屋になりやすいので、こういう人に教えて貰った場合は鵜呑みにしないで後で達人の師範に確認した方が無難です。合気道は日々進化発展する武道ですから、その人の実力以上には説明出来ないものです。仏教と合気道の目的を考えてみると、仏教の悟りとは大宇宙と自分との「差を取る」「サトリ」のこと、合気道もやはり合気道の技を通じて宇宙と自分との差を無くすること「宇宙との和合」が理想、非常に良く似た共通点だと思います。