6月、1回生の肝試しが2回行われました。
1回目は『旧寮回り』です。南寮と北寮の間に旧寮と呼ばれる空家状態の二階建て木造家屋があります。
昔、2階の一番奥の部屋で先輩が首吊り自殺をした場所(たぶん嘘)で、そこに一人ずつ行って、先輩の霊を弔って来いとのことで、2回生から手法を細かく指示されました。
1回生は、マッチ棒1本だけ入ったマッチ箱を持って、真っ暗な階段を灯りなしで上がって、2階の廊下をゆっくりと30メートルくらい歩き、月明かりだけの暗闇の中、大声で「こんばんは!」と挨拶して目的の部屋に入ります。
先輩が首を吊った場所に向かって大声で南寮式自己紹介、それから予め用意されている蝋燭にマッチで火を付けて準備しておいた追悼文を読みます。(文章の内容は忘れました。)
最後に南寮寮歌を1番から多分5番まで唄ったと思います。
歌詞を覚えてなかったり、間違えたりしたら、先輩の霊(押入れに隠れている2回生)が怒って、バーン!と音が鳴ります。
最後に大声で「失礼します!」と言って戻ります。
私の場合は上手くできたので、ラップ音は少なかったですが、脅かされまくってギャーギャー喚いて帰ってくる1回生もいました。
私が2回生になって主催する側の時、更に怖くするために肉屋から大量の動物の骨をもらって部屋にばら撒いた者がいて、変な臭いはするし幽霊屋敷というよりゾンビハウスみたいでした。
奥の部屋で隠れていたら、「寮歌を覚えてませんから校歌を唄います。」と言って自分の小学校の校歌を唄いだした奴がいて、全身にトイレットペーパーを巻いてミイラ男に変身した私が現れたらビビリまくってました。
約1週間後に2回目の肝試し『外回り』がありました。
懐中電灯を持つことは許されず、やはりマッチ棒1本だけ入ったマッチ箱を持って行きました。
寮から住宅がない方向、田んぼの畦道から竹薮、墓場を通り抜けた所に遺体安置所があって、そこで蝋燭に火を付けて寮歌を唄って帰ってくるコースですが、『旧寮回り』のように自殺した先輩に挨拶するとか何か設定があったはずですが忘れました。
一人で暗闇を歩いていて不自然な音がしたら、脅かし役の先輩がいると思って逆に安心しましたが、道を間違って山林で迷いかけた時はさすがに焦りました。
この行事では、知らずに墓石を跨いだりする者がいて、このためかどうかわかりませんが寮内で良からぬ事が起こったので2~3年後になくなったかと思います。
真夜中にこんな感じの所を歩かされました