6月17日(土)未明
バヌアツ共和国 大統領の バルドウィン ウォムテロ ロンスデール氏が心臓発作の為、逝去されました。
現役大統領の死はバヌアツ史上初めてで、
突然のニュースに、バヌアツ中が悲しみに包まれました。
26日までの10日間は喪に服す期間となりました。
19日、20日はポートヴィラにある大統領官邸で、一般に弔問が解放されました。日本人経営のメラネシアンホテルの弔問時間に、私も、同行させてもらい、大統領にお別れのご挨拶をしてきました。
建物の中に入ると、大統領の大きな写真が2枚。そして、祭壇には、なんと安らかなお顔でロンスデール氏が横たわっています。お体は白いシーツでくるまれていますが、お顔はみんなに見えるようになっています。その下にはたくさんのお花が供えられていました。
ホテルスタッフには、大統領の遠縁の家族もいて、大統領を目の当たりにすると悲しみが止まらないようでした。
バヌアツという国は、偉い方も、有名な方もとても身近で、皆が大統領のもとへお別れの挨拶をしに行き(ご遺体に触れることも許されます)、
最後にご家族一人ひとりにお悔やみの抱擁をしました。
そして、ご遺体が首都ポートビラから故郷のトルバ島へ帰る今日21日は大統領に哀悼の意を込めて、すべての機関、学校、商店などがお休みとなりました。
ご遺体は早朝に大統領官邸から国会議事堂へ移され、午前中、各国の外交官などの弔問がありました。日本からも管轄の在フィジー日本大使館の方がお越しになりました。そして、11時。ご遺体がトルバ島にへ向かうために飛行場に向かいます。
国会議事堂から飛行場までの道は、多くのバヌアツ人、(特に学生がすべての道程に配置されていました)、バヌアツに住む外国人で沿道埋め尽くし、お花や、布、平和の象徴のナメレリーフなどで花道を作っていました。
特に印象的だったのが、弔問時も、花道でも子供たちの姿が多かったことです。
ロンスデール大統領は、女性や子供たちの人権擁護に力を入れていた大統領でもありました。
また、サイクロン時には、世界防災会議で日本にいて、日本からバヌアツの救済を世界へ呼びかけたことでも記憶に新しいです。
バヌアツ史上最大の汚職事件の時には、自分が不在時に起こったドタバタ劇を一刀両断し、バヌアツを正しい方向へ導いてくれました。
誰もが、彼を素晴らしい大統領だといいます。
ご冥福を心よりお祈りします。