フルート・オカリナの森田愛華です
今日はいくらか暖かく、朝から気持ちのいい空でした。
東日本の震災から10年が経ちましたね。
最近、監察医朝顔というドラマを見ています。
このドラマの主人公家族も東北の地震で被災し、大切な人を亡くし、悲しみ、苦しみながら、家族の愛、人の優しさが丁寧に描かれています。色々な事を感じるドラマです(毎回つらくて涙するのですが、つぐみちゃんが可愛くて癒されます♪)
当時、2011年、私は大学を卒業する年でした。
その日、ムラマツフルートでの指導者講習会が最終日で新宿にいました。地震が起こったその時は、講習の終了を労う会食の最中でした。
忘れもしません。
新宿のビルが大きく左右に揺れ、テーブルに並べられたグラスやお皿も激しく音を立てました。
とても怖かったですが、本当に恐ろしいと思ったのはその後。情報を得るためにつけたテレビの映像でした。
私は東北に身内はいませんが、仲間や恩師の大切な故郷、家族の皆様の安否というのは非常に気がかりでしたし、その日は新宿から千葉の自宅に帰ることはできませんでした。
瞬く間にコンビニから食べ物が消え、ホテルも満室。その夜、ムラマツフルートの試奏室をお借りし、一夜を明かしました。毎回、試奏室に入る度に「ここで寝たんだよな」と思い出します(笑)
その翌日は、大学院の試験を控えていました。
電車が動かないため試験の1日目は受けることができず、2日目にまとめて試験を受けることになりました。当時はまだ学生でしたから、本当にたくさんの大人や仲間に助けてもらいました。
結果として大学院には進学しませんでしたが、こうして10年という月日が経った今を振り返ると、あの日から私は10年という月日を生き、毎日ご飯を食べて(食べ過ぎるくらいに)、大変なこともあるけど殆ど笑ってすごし、着るものと寝る場所があって笛を吹いて。そんな今は奇跡のようなもので、大切に、感謝しないといけない。ただ、そう思います。
今も未熟なのですが、あの頃も助けてもらうばかりで被災した方に対して何もできなかった。
今も何か特別な事ができるわけではないのですが、こうして今、笛を吹いているならそっと音楽を置いておこうと思います。
フルートの演奏「花は咲く」四重奏
改めて、黙祷を捧げます。
春には沢山の花が咲きます。
窮屈な毎日ですが、空をみあげて、今この時を力いっぱい生きていきたいですね。
東北の地、皆様の心の安らぎを祈っています。
ささやかでも、誰かの支えになれる自分でいられるように。
これからも笛を愛し、一緒にいられるように。
明日もまた、一緒に朝を迎えましょう。