「私はアナタにとって、

ナンバーワンでも、

オンリーワンでもないもんね」






BGMでSMAPの『世界でひとつだけの花』が流れた時に、

ゲンジ君に、

そう、皮肉を言ってみた。




そうしたら、

「じゃあ、何番目がいい?」

と返答が返って来た。






・・・絶句した。






真剣に発した言葉なのに、

冗談で返されてしまった。




空気の読めないゲンジ君に、

嫌気が差した。






アナタの、オンリーワンにならなくて良かった。




山岸 涼子 著  『蜃気楼』より
 こちらは男性主人公。オトコが自身のエゴから目をそらし続け、その側で苦しみ続けた女2人。

 愛人を囲っているオトコの心中とは、誰よりもご満悦なんだろうと、実感した作品。
 周囲のオンナはたまらないが、きっとこれが、オトコの本音。


こうして
愛し合っている
それだけで
なぜ充分で
ないのか。



あなたは
自分のエゴが
認められない
自分を悪者に
したくないのよね



男の人って
なに?
結婚って
なんなの?


山岸 涼子 (著) 天人唐草 (山岸凉子スペシャルセレクション 5) より 『蜃気楼』 から抜粋








「どうせ私以外にも抱いている人いるくせに」








奥様のことを言った


・・・つもりだった。





でもゲンジ君は


長い無言のあと、


こう言った。









「なんで他にいるってわかったの?」











このゲンジ君には、



私以外にも、愛人がいた。







私は、セカンドガールでさえもなかった。