2023年11月24日
ギョベクリテペで感動した後は、再びシャンルウルファ(通称ウルファ)の町に戻ってグランドバザールへ向かいます
約20キロの道中はしばしのどかな風景。
これはユーフラテス川からひいてきた農業用水路だそう
まさにメソポタミア文明の面影!
ウルファはシャンルウルファ(Şanlıurfa)県の県都で、旧市街と新市街があって、新市街はマンションとかどんどん建ってて高速道路も整ってる。
町の歴史は世界でも有数の古さを誇り、諸説あるものの旧約聖書に出てくる『ウル』はトルコのウルファだという説が根強いらしい。
(アブラハムやモーセにまつわる場所も後ほど巡ります)
メソポタミア・アナトリアの交通の要だったこともあって古代から栄えていて、紀元前4世紀に入ってきたキリスト勢によって『エデッサ』の名前で知られた時代も。
更に遡ると、1万1千年前のギョベクリテペと同年代の石器遺跡も出てきているので、太古から栄えた場所だったのは間違いない
(前記のウルファマンという石像もここで発見されてる)
朝、旧市街のバザール前を通った時の動画。
皆さん出勤中かな。
さて。到着した頃にはお昼時間をとっくに過ぎてたので、まずはランチに。
聞くとウルファはケバブ発祥の地だと言うので、「じゃぁ是非地元の人達が良く行くようなケバブ屋さんに連れて行って」とお願い
バザールの道向かいの駐車場に車を停めて、歩いて行きます
向こうの丘の上に見えるのはウルファ城。
いきなり大きなスピーカー音がして、何事かと聞けばイスラエルに対するデモなんだと。
バザールが見えました
賑わってますね~
このバザールは16世紀半ばにスレイマン1世によって建てられたとのこと。
オスマン帝国の匂いがプンプンします
ウキウキ
右奥の赤いお店、ガイドのTahaチョイスのレストランに到着
ケバブ、グリル中。
二階のテラス席でEzme(エズメ)というトマトとトウガラシの前菜やサラダを頂いてると、メインがやってきた
ウルファスタイルのケバブは野菜やスパイスを混ぜた肉(主にラム肉)を炭火で串焼きにするシンプルなもの。
私はナスとパプリカ(とピーマンの中間みたいな肉厚のもの)とトマトとラム肉をチョイス。あとアイランも。
好きなものを好きだなけ取って、ラヴァシュ(薄いパン)で巻いて食べるんだよとTahaがやってみせてくれたので早速同じようにしてみた。
小さすぎって笑われたけど、この方が食べやすいんだわ
どれも美味しかった~
ヘルシーだし、飾らないシンプルな感じと絶妙なスパイス加減が良い。
古い歴史のある町だからこそウルファは美食の街として知られていて、ケバブだけじゃなくチーキョフテ(çiğ köfte)やラフマジュン(lahmacun)など、ウルファ発祥とされるトルコ料理も数多くあるんだとか。
食事中、テーブル横の屋根からずっと目線を感じてました
席から道向かいに見えた男の子たち。
トルコのこの胡麻パン(シミット)、美味しいんだよねぇ
そういえば学校は?って聞いたら、どうやら通ってないようで。
シリア難民なんだって。
お腹もいっぱいで大満足したので、早速バザールに入っていきます
ゴールドばかりでキラキラのエリアを通って。
中庭みたいな所には裁縫屋さんが並んでて、各々店の前にミシン置いて作業中。
「何処から来たんだい?」と聞かれまくります(笑)
これはタバコの葉なんだって。
タバコ吸ってる男性を結構見かけた。多分、無添加の紙巻きタバコで安いんだろうな。
金物屋さんのエリアに入ります。
なかなか楽しそう
素敵~
とあるお店で、おじいさんが作ったものを色々見せてくれた
「まぁ座れ」と言われて横に座ってお茶を頂きました
(お茶屋さんが歩き回ってるので、Tahaがおごってくれた)
御年85歳だそうです
トルコ語が分からないので、Tahaが通訳してくれてます。ていうか、多分トルコ語だった。というのも、この辺りはアラブ人やシリア難民、クルド人も多くて、Tahaはトルコ語とアラビア語とクルド語を使い分けているよう
お客さんがやってきました
どうやら、黒ずんでしまったアルミ鍋を綺麗にしてほしいそうです。
作るだけじゃなくて、修理やお手入れも対応しているようで。
綺麗にするとこ見ておいで、動画も撮っていいよと
見てると、自然のものしか使ってない。白いのはコットンのかたまりで、オイルみたいなのも使ってた。けっこう長かったので途中で撮るのやめてしまったけど、最後はとても綺麗になりました。
お爺さんにお礼を言ってお別れをして、次は布屋さんが並ぶエリアへ。
カバンを縫うのが趣味なので是非何か変わった布を買って帰りたくていくつか店に入ってみたんだけど、こちらの女性たちが着るような薄くて軽い生地ばかりで、鞄に一番遠い素材ばかりで断念。ワンピース作るにもおばちゃんにはちょっと、、、って躊躇するキラキラばかりだったので
あるお店で19歳のピカピカ美少年がなかなか上手な英語で一生懸命話しかけてくれたのを今でも覚えてる。写真撮ればよかった~
「僕はシリアから来ました。働きに来ました。一人で来ました。来たばかりです。あなたは何処から来ましたか?」って感じで、習った英語を丁寧に一生懸命文章にしてる感じがとっても可愛かった
続いては、羊毛や毛皮を加工しているエリア。
昔からの洞窟のような小部屋をそのまま使ってる感じが良い
また別の中庭みたいな所に出た時、ふと「Taha何処行った?」ってなったら、後ろでおじ様たちに捕まってた。
イスラム圏の男性たち、ほんとよく喋るわ~
仕方なく引き返すと、どうやら私の事を色々聞かれていたらしい
何処から来たのか、普段仕事は何をしているのか、どうしてウルファに来たのか、答える前から次の質問が飛んでくる(笑)
日本人だよと言うと、「そうかそうか、それじゃぁ」みたいな感じで横の店にいる息子さんに「おい、アレ持って来い、アレ」って声かけて、奥から息子さんが「はいはい。いつものやつね。仕方ねーなぁ」って顔で額に入れた写真を持ってきて見せてくれた。私が何人でも見せてたやろ
「うちの爺さんが大統領に会った時のものだ」ってドヤ顔で言われたので、「へぇ!凄いねぇ!」と言っておいた。凄く嬉しそうだった
トルコの現大統領の事凄く感謝して評価してる人多かったのも印象的だったな。
このお写真に映ってるのは前大統領?詳しい人分かれば教えてください(笑)
是非見せたいエリアがあると言って次に連れていかれたのは、、、
「鳩のエリア」だって。
何故ハト?と聞くと、どうやらペットとして人気らしい。
種類とか色とか柄とか、色々あるらしいわ。ブリーダーもいるらしい。
ハトと言えば昔は糞を肥料にするために飼ってたローマ軍のイメージだったけど、イスラエルのマサダ要塞にも(同じく肥料用の)鳩の塔跡があって、ユダヤ人もって事は、起源はもっと昔か?、、、と思ってちょっと調べてみたら、『現在のイスラエルからイランにかけた中東がその起源とされています』だって。
まさにこの辺り!
って事はこの辺りではハトは大昔から身近な存在なんだろうね。
お店のおじさんが「見て行け、見て行け。触るか?」って。
ありがとう、でも結構です
鳩屋さんだらけ、、、
Tahaが次々に見せてくれるんだけど、もう鳩はええで
道が素敵だったので良し
「撮ってくれ」と言われたので
そして、中央広場みたいな所のカフェに来ました。
可愛い子が「Where are you from?」って
ここでTahaがオーダーしてくれたのが、暖かいピスタチオコーヒー
これを是非飲んでみて欲しいって朝から言われてたんだけど、「私コーヒーは匂い嗅ぐのもダメよ」と言ったら、「コーヒーは一切入ってない」と言われたので、半信半疑で、、、クンクンしてもピスタチオの香ばしい香りしかしないので飲んでみたら、、、お、美味しい~
作り方を聞いたら、ホットミルクにピスタチオの粉末と砂糖(もしくはコンデンスミルク)を混ぜるだけらしい。
カフェインも入ってないし栄養価も高いそう。
この辺りはピスタチオの名産地だと言うので、さっそくバザール内のお店でピスタチオの粉をゲット
野生のピスタチオの粉、300gで55リラ($2以下)
それで思い出した!
朝の卵料理や他のトルコ料理によく使われてるあの赤いペースト状のやつは何なのか聞くと、Biber Salcasiというパプリカとトウガラシのペーストで、日本で言う昔の味噌のように各家庭の味があるらしい。
Tahaが「ここで買わなくても、僕のお母さんが作ったやつが美味しいから最終日持ってきてあげる」って言うからバザールで買わなかったのに、忘れてきやがった
(帰ってからネットで高いやつ買って絶賛愛用中)
続いては絨毯のエリア。
羊毛絨毯がずらっと並ぶ。
羊毛の毛布もたくさんあったな。かなり暖かいんだそう。
最後は食料品売り場を通って。
朝食で出た美味しいチーズ!
Urfa Peyniriと呼ばれるこのウルファチーズは半年ほど寝かせたゴートチーズなんだそう。
スパイス屋のおにーさん、ポーズして最後全力で手を振ってくれた
ウルファはトウガラシの名産地でもあって、特にウルファ・ビベル(Urfa biber)という乾燥唐辛子の粉が有名らしい。
色は赤じゃなくてほぼ黒!これがまた、味に深みがあって凄く美味しい
大量に買ったので、色んな料理に使いまくってます
上の方に吊るしてあるものには野菜の皮だけのものが多くあって、何に使うのか聞くとお米を炊くときとかに一緒に炊いて出汁をとるんだって。
大満足で時間もちょうど良い感じのバザール歩きでした
次はこのまま歩いて預言者アブラハム(イブラーヒーム)の聖地に行きます。