先日に頂いた『日本古代宮都と中国都城』を読む。非常に勉強になる本である。

中国都城については、見識が浅いので、今回の本でだいぶ理解が出来、頭の中が整理できた。特に、周礼や三朝制などから、どの程度影響を受けていたのかも、事例を提示しての考え方なので、なるほどと思う。

個人的には、藤原京と周礼の関係について以前に考えたことはあるが、0か100ではなく、程度の問題だと思う。しかし、藤原での条坊の導入は、居住空間を確保するためとする点は、私とは微妙に違う。私の考えている新城段階は、まさに新市街地の方形街区の導入だが、十条十坊の藤原京は、それだけではなく、天武の世界観を表現するのに、周礼から選択的に採用したとみる。

やや、異なる見解もあるが、この本は非常によい。