今日は仕事納め。一応、本年の仕事も終わりである。ということで、恒例の今年のお仕事。
今年の執筆論文は3本。まずは、近年話題の多い甘樫丘について。同丘及び周辺の7世紀前半の遺跡(邸宅・寺院・古墳)はいずれも蘇我氏関連であることが判明。これが7世紀中頃を境に大きくかわる。邸宅は別の施設になり、古墳の多くが削平・破壊され、邸宅が建てられる。これらの動向から甘樫丘を位置づけたものである。一方、磐余論文は、豆谷先輩の追悼論文集に書かせていただいたものである。内容は、現在「磐余池」と呼ばれている池跡は本当に「磐余池」かという疑問から、書いたものの。結果的に、磐余地域を特定し、磐余池を別に推定したものである。大化の改新の真実は、前期難波宮の造営期間を検討し、これまで言われていたよりも、長い時間が必要であったことを検討した。
図録は毎年恒例、飛鳥資料館での速報展『飛鳥の考古学』である。これも10年ちかく続いている。
その他は、昨年行った考古学協会講演会の書籍化や朝日新聞の「飛鳥むかしむかし」の連載とこれをまとめた書籍。そして、『飛鳥史跡辞典』がある。この他に、水野先生の追悼文種も書かせていただいた。
「飛鳥・藤原の考古学」は旬を含めて10本。孝徳朝はすでに原稿では完結している。
今年の仕事は、こんな感じだが、来年はどうなるだろう。とりあえず、プロジェクト1は昨年末から進行中。この春までにはなんとかしたい。これに合わせて、プロジェクト2も一年遅れで、進行させたい。

(論文)
・「甘樫丘をめぐる遺跡の動態-甘樫丘遺跡群の評価をめぐって-」『明日香村文化財調査研究紀要 第15号』
・「磐余の諸宮と磐余池-古代磐余をめぐる諸問題-」『魂の考古学-豆谷和之さん追悼論文編-』
・「大化改新の真実」『明日香-明日香村文化協会々誌 第38号-』
(図録)
・『飛鳥の考古学2015』(共著)
(その他)
・『飛鳥史跡辞典』(共著)
・「発掘された飛鳥・藤原京-21世紀の調査成果から-」『ここまでわかった飛鳥・藤原京』
・「空中分解した?卒業論文」『人間一生不可鮮の-水野正好先生追悼文集-』
・『飛鳥むかしむかし-飛鳥誕生編-』(共著)
・『飛鳥むかしむかし-国づくり編-』(共著)
・「飛鳥むかしむかし114 調査研究と保護の歩み(上)」『朝日新聞』
・「飛鳥むかしむかし115 調査研究と保護の歩み(下)」『朝日新聞』
・「飛鳥・藤原の考古学 孝徳朝の王宮と改革2~7」(飛鳥遊歩マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 都の下に、古墳のルーツが眠っていた」(飛鳥遊歩マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 日本国誕生に掲げた四神の旗」(飛鳥遊歩マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 宮廷衣装をまとった女子群像」(飛鳥遊歩マガジン)
・「飛鳥の王宮をめぐる諸問題」(飛鳥遊歩マガジン)