阿部義平著の『日本古代都城制と城柵の研究』を読んだ。
阿部義平氏とは仲良くさせてもらっていて、いろいろと教えていただいたことも多い。特に飛鳥や藤原・平城京のことや、城柵・山城をはじめとする軍事施設について。しかし、数年前に亡くなられて、しばらくはそのことを知らなかった。そのことを聞いたのは、古代都城制研究集会の時であった。
阿部さんとは、特に、飛鳥の都の成立を、時期ごとの遺跡の分布を検討することによって考える「倭京の都市指標」(今回の本には掲載されていないが)は、同じようなことを私もやっていたので、共通点も多い。また、飛鳥の軍事システムを考えたときにも、いろいろと教えていただいたり、参考にさせていただいた論文も多かった。
今回の著書は、都城と城柵についてのものに限られ、いずせれも各論文としては読んだ物ではあったが、系統立てて、改めて系統だてて読み直すと、阿部さんの研究成果がわかりやすい。
・阿部義平著 『日本古代都城制と城柵の研究』 吉川弘文館 2015年3月刊行
