高槻市が一年ほど前に行ったシンポジウムの講演録である。
シンポには参加できなかったので、この手の本はありがたい。
阿武山古墳は、いわずとしれた鎌足墓と推定されている古墳である。特異な古墳形態と特異な出土遺物から、そういわれている。ただし、周溝出土土器の年代と文献資料。このあたりの整合性がとれれば、ほぼ確実である。
発掘から70年、X線研究会の成果が公表されて25年ほど経つ。特に、後者の正式な報告書が刊行されていないのは残念だが、この古墳は、いろいろな意味で研究の定点になる古墳である。現在の研究水準から改めて見直すことは必要だろう。
なお、この書物にも、水野先生の講演、討論司会が掲載されている。
・高槻市教育委員会編 『藤原鎌足と阿武山古墳』 吉川弘文館 2015年3月刊行
