『明日香風』に藤田富士夫氏の「明日香の神奈備山再考」が掲載された。これの元になった論文も拝読した。
飛鳥の神奈備山については、これまで諸説があり、その中でも岸俊男先生の、ミハ山説が有力視されていた。今回の論考は、これに異議を唱えるものである。藤田氏は飛鳥の神奈備山を岡寺山とする。その根拠は、三輪山型の形状をして、飛鳥の中心部から見えるところというのがポイントである。
この場所は、私も以前から気にしていたところである。藤本山の手前にあるピークであるが、ここを「岡寺山」と呼ぶかおいておくが、藤本山までは尾根稜線上に掘立柱塀が巡ると考えている。羅城?である。そして、この塀に接する内側の藤本山あるいは岡寺山に両槻宮があると推定している。両槻宮が天宮とも呼ばれていることは、飛鳥の神奈備である可能性も示唆しよう。しかし、まだ遺構が確認されていない。なんとか物証を得たいものである。