東野治之校注『上宮聖徳法王帝説』(岩波文庫)を入手した。
これまで真面目に読んだことはなかったが、聖徳太子研究においては、『日本書紀』に続く信頼できる書物である。聖徳太子には伝説が多くまとっており、スーパースターではあるが、真実の姿がなかなかわからない。
今回の東野氏の解説でも、興味深い指摘があった。本書には遣隋使について触れていないのである。聖徳太子は本当に外交に関わってたのかは、再考が必要であるという。非常に興味深い指摘である。
また、個人的には、聖徳太子の居所に興味がある。聖徳太子は飛鳥には居なかった。上宮から斑鳩へ移ったらしい。その宮の実態も知りたいところである。上宮は上宮遺跡でよいと思うが、斑鳩宮はまだ構造がわからない。飛鳥と斑鳩についても今後検討しなければなるまい。まだまだ勉強である。