文化財防火デーがあった。各地で、文化財の防火訓練が行われている。法隆寺金堂壁画焼失をきっかけに文化財保護法を施行されたのである。このような出来事がないと、なかなか法整備などが進まない。しかし、文化財保護にあたっては、その後、高松塚壁画の発見が大きな転換期でもあった。文化財や遺跡を一般市民にまで認知させたのである。今でこそ新聞の紙面に文化財の記事が掲載されることはめずらしくないが、一面カラーで初めて文化財の記事が写真入りで掲載されたのが、高松塚であったのだ。その後、新たな転換期が再び訪れた。高松塚壁画劣化問題である。これを期に、文化財保存の理念と現実の再構築が始まったのである。そんなことを考える一日であった。