平城遷都1300年もあとわずかであるがそんな中、上記の本が刊行された。内容は、研究史やこれからの平城宮についてであり、奈良時代の歴史や考古学成果ではない。もっとも、そのような本はこれまでに多く刊行されているので、あとがきでもそのように書かれている。まだ、読んでいる途中であるが、自分の地域についても考えさせる一冊である。また、この本を刊行したのは京阪奈情報教育出版のあおによし文庫というところで、奈良本は世の中にたくさんあるが、地元から情報発信するアイテムがないことから、創刊したそうである。地元からの情報発信はとても重要で、同じような意図のもと、考古学図録を企画したことがある。これも来年度で10冊を迎え、完結する予定である。
井上和人・粟野隆 『平城京ロマン 過去・現在・未来』 京阪奈情報教育出版 2010.10刊行
・遙かなる奈良の都(井上)
・平城京、その後(井上)
・平城京研究の礎(井上)
・平城京を守った人々(井上)
・内務省の調査と整備事業(井上)
・平城宮の全域確認と保存への道程(井上)
・平城宮跡の発掘調査研究のあゆみ(井上)
・平城京保存の展開(粟野)
・平城遺跡博物館構想と平城宮跡の復元・整備(粟野)
・平城京の将来に向けて(粟野)
