『古代壁画の世界』を読んだ。百橋先生の壁画論で、古墳壁画や寺院壁画、そして画師について論じている。ただ、キトラを高松塚よりも新しくみる考え方は、常日頃から、マルコ→キトラ→カラト→高松塚の順で作られた(最近はマルコを一番古く考えています)を唱えているものとしては賛同しかねる。一応、百橋先生も根拠をもって述べているのだが。この本と、飛鳥資料館のキトラ図録を読み比べるのもおもしろい。
 
百橋明穂 『古代壁画の世界-高松塚・キトラ・法隆寺金堂-』 吉川弘文館 2010.6刊行
 
 ・美術史と考古学-プロローグ-
 ・古墳壁画の世界
    高松塚古墳の壁画
    キトラ古墳の壁画
    高松塚・キトラの相違と特徴
 ・寺院を荘厳した絵画
    法隆寺金堂壁画
    発掘された寺院壁画-上淀廃寺の衝撃-
    彩られる寺院の内部-堂内壁画荘厳の系譜-
 ・古代の絵画を描いた人々
    古代の画師とその実像
    作画活動の実態
    東アジアの壁画文化-エピローグ-
 
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