とある丘の上で掘削作業をながめていると、錆び付いたファンタグレープ・ファンタオレンジ・スプライトの缶がでてきた。いずれもコカコーラ製品である。造成土の中から出てきたので、そんなに古いものではない。しかし、その柄は最近のものではなく、見たことのない柄であった。いったいいつの缶だろうか。残念ながら、製造年月日は錆び付いていてわからない。さらに進むと、今度はホームランバーのアイスキャンディーの袋が出土。さすがにビニールは強い。思わず、製造年月日を探したが、残念ながらみつからず……。しかし、ここで重要な発見が。袋に懸賞の応募申し込みの記載があったのである。それによると、「昭和47年9月末日締め切り」とある。つまり、このキャンディーは昭和47年9月以前に製造されたものであることがわかる。応募期間を見積もると、昭和47年あるいは46年に製造された可能性か高い。同時に出土したジュース缶もいっしょに捨てられたものと考えられるのである(缶の柄による編年的検証が必要だが)。この時期はちょうど公園の造成整備工事が行われていた時期である。この土層も公園工事に伴う造成土の可能性が高い。そこで、これらのことからわかることを箇条書きにしてみよう。
・工事の時期は昭和46年か47年と考えられる。
・この時期の工事は、公園の造成整備に伴う工事である。
・アイスやジュースを飲んでいるので、工事の季節は夏頃である。
・アイス1とジュース缶3が同じところから出土するので、現場には少なくとも4人がいた。
・ジュースの種類から、少なくともジュースについては店ではなく、コカコーラの自動販売機で購入し た可能性が高い。
・飲食した空き缶などは、造成土の埋め戻しと共に投棄した。
------とある公園建設に伴う工事現場の一場面-----
A:「今年の夏は暑いなぁ。おい、誰か丘の下の自販機でジュースを買うてこいや」
B:「僕、買いに行ってきます」
C:「俺は、ジュースよりアイスの方がいいなぁ」
D:「私はスプライト」
B:「わかりましたっ」
(10分後)
B:「買ってきました。Cさん、アイスはホームランバーしかなかったですわ。Dさんはスプライトでしたね。Aさん、オレンジとグレープのどっちにしますか?」
A:「そうやなぁ。オレンジをくれ。」
B:「はい。どうぞ」
A:「飲んだら、夕方までもうひとがんばりやで」
……という会話が飛鳥を見下ろす丘の上で、約40年前に交わされていたのである(たぶん……)。
・工事の時期は昭和46年か47年と考えられる。
・この時期の工事は、公園の造成整備に伴う工事である。
・アイスやジュースを飲んでいるので、工事の季節は夏頃である。
・アイス1とジュース缶3が同じところから出土するので、現場には少なくとも4人がいた。
・ジュースの種類から、少なくともジュースについては店ではなく、コカコーラの自動販売機で購入し た可能性が高い。
・飲食した空き缶などは、造成土の埋め戻しと共に投棄した。
------とある公園建設に伴う工事現場の一場面-----
A:「今年の夏は暑いなぁ。おい、誰か丘の下の自販機でジュースを買うてこいや」
B:「僕、買いに行ってきます」
C:「俺は、ジュースよりアイスの方がいいなぁ」
D:「私はスプライト」
B:「わかりましたっ」
(10分後)
B:「買ってきました。Cさん、アイスはホームランバーしかなかったですわ。Dさんはスプライトでしたね。Aさん、オレンジとグレープのどっちにしますか?」
A:「そうやなぁ。オレンジをくれ。」
B:「はい。どうぞ」
A:「飲んだら、夕方までもうひとがんばりやで」
……という会話が飛鳥を見下ろす丘の上で、約40年前に交わされていたのである(たぶん……)。