年明けそうそう、秋田県から知り合いが訪ねて来られ、美酒と古墳の資料をいただきました。感謝感謝です。
 野地久保古墳は福島県白河市にある終末期古墳で飛鳥とは関連が深い。まず墳丘が東北では、はじめての上円下方墳である点は注目される。この形の確実な例は少なく、石のカラト古墳や府中市の熊野神社古墳、静岡の清水柳古墳?などである(昭和天皇陵も上円下方墳だが……)。また立地は背面カットをもつ終末期古墳特有の地形にある。さらに石室は横口式石槨で、人を寝かした状態にするには少しせまい。火葬骨臓器を入れていたか、改葬墓であろう。このように考えると中尾山古墳の石槨構造との比較を考えないといけない。さらにこの古墳の近くにはもう一つ?類似の古墳がある。谷地久保古墳である。こちらは円墳だが、石槨構造が類似する。なぜ白河にこのような飛鳥の古墳に類似する終末期古墳が集中するのか?白河には白河郡衙とも推定される関和久官衙遺跡がある。このよな官衙の存在や中央と同様の構造の古墳が東北にあるということは、古墳の被葬者が中央から派遣された人物か、少なくとも中央と密接な関わりをもつ人物であったことが想定されるのである。いずれにしても、白河の地域は注目する地域であろう。