3月11日の東日本大震災によって甚大な被害が発生し、多くの被災者の方々は未だ生活再建の見通しが立たない現状にあります。

 多数の方が犠牲になり、それに伴って多くの相続が発生していますが、遺産といっても財産だけでなく債務超過のときは、多額の債務・借金である場合もあります。

 今の民法では相続を受ける人は、相続が発生した日から3か月以内に、相続について、承認または放棄しなければならないと規定しています。

その期間内に家庭裁判所で相続の手続きをしない限り、自動的に相続を承認したものとみなされてしまいます。

 つまり、地震後の混乱の中で知らない間に、多額の借金を背負ってしまっているかもしれないのです。

 被災地である岩手県選出の民主党 階(しな)たけし衆議院議員が中心となって、議員立法として、「東日本大震災に伴う相続の承認又は放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律案」が一昨日の法務委員会で全会一致にて可決、昨日の本会議で衆議院を通過し参議院へ送付され、本日可決成立いたしました。

 この法案は、被災地において発生した相続について、承認もしくは放棄の期限を2011年11月30日まで延長しようというものです。

 この法案は、地元から寄せられたニーズをもとに自らも弁護士である階議員が作成したものです。私も法務委員として、被災者の皆様にご活用していただきたく、ご報告させていただきました。

 相続の手続きは各家庭裁判所への申し立てが必要です。この法律が成立したことを被災者の皆様にしっかりお役立ていただきたいと考えております。現在は市町村の窓口が周知徹底を図る予定とのことです。

 まだまだ多くの方々が不便な生活を強いられている現状に、私からも心からお詫びを申し上げます。どうか、この新しい制度をご活用いただき、まわりの方々にもお伝えいただけますように、心よりお願い申し上げます。

<申し立て先は亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です>
裁判所ホームページ
→(管轄裁判所)
http://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/kankatu/index.html
→(各家庭裁判所の連絡先)
http://www.courts.go.jp/map.html