このままの急激な人口減少傾向が続けば、毎年静岡市の人口とほぼ同じ約74万人が減っていき、2050年には日本の人口は一億人を切る9500万人になるとの国立社会保障・人口問題研究所の試算があります。
人口の急激な減少は経済の規模縮小や人口が増えていくこと前提に設計されている年金をはじめとする福祉制度の崩壊などのいびつな社会構造を生みだすことにつながります。
 子ども手当は、子どもの成育環境がいかなるものであるのかを問わず、すべての子どもの育ちを社会全体で支えるための制度として民主党が訴えたマニフェストの目玉です。
 相対的に高所得者に有利な所得控除から、中・低所得者に有利な手当などに変えていくいわゆる「控除から手当へ」という政策転換の一つの表れです。
 子ども手当は「将来への投資」に他なりません。高齢期の人たちの社会保障を支えるのは、次世代の子どもたちです。社会全体で子どもの育ちを支えていくことは、子育てが終わった世代の方々、子どものいない方々を含め、社会全体のためでもあるのです。
さらに各国の家族関係社会支出の対GDP比率を見るとフランスの3.00%、ドイツの2.22%と比べて日本は0.81%(OECDデータ)と子育て関連の政策の不備が指摘されてきました。
子育て費用は、様々な試算がありますが、子供ひとりあたり、2000万円以上といわれています。子ども手当は、15歳までですから、仮に毎月20000円で計算しますと、一人の子供に、約360万円が支給されることになります。
日本人の生涯賃金は、ひとり平均約2億円です。現在の租税負担率は約24%ですので、ひとりの一生涯の納税額は約5000万円ということになります。
つまり、子育てにかかる費用を事前に社会全体で負担することで、子育てのハードルを低くして、納税や社会保障などの担い手をしっかり確保して行く制度と言えます。
この子育てのハードルを低くするためには、現物サービスがまだまだ充実していない日本では、最低でも16000円支給されることが望ましいと考えられています。
自民党・公明党は、子ども手当を、10000円にして、所得制限をつけるべきだと主張しています。現在、民主党は段階的に子ども手当を引き上げるために、13000円の支給を実施しています。別紙の表1でも明らかですが、10000円では、マイナスになってしまう世帯が多いのです。13000円支給の場合(表2)と比較してみてください。