先日、3回目みました笑 


子供向けの怪獣ものかと思っていたのですが、大人向けの映画でした。



この映画のテーマは核へのアンチテーゼなんです。


というのも、実はこの映画に出てくるゴジラは単なる怪獣ではなく、
ゴジラ自身の体内が原子炉の役割をしており、放射能を撒き散らす生物として描かれていて、急遽 日本に上陸をするところから始まります。



前半部分では、
「ゴジラが上陸する」などという緊急事態が起きた際、民主主義国家である日本がどのような会議や手続きを経て、発令や緊急事態宣言などを出し、どのように国が動いていくのかが、テロップ入りで 具体的に描かれているので、すごく勉強になります。


一方、後半部分は ゴジラへの攻撃がメイン。エヴァがお好きな方だとより興味深くみられると思います。


わたしはとくに前半部分が好きです。



民主主義国家のメリットの一つは
「みんなで意見を出し合って方針を決められること」である一方、
デメリットは
「緊急事態などが起きた際の手続きというものも、意見を出し合い決めるため 時間がかかるところ」だということが、「シン・ゴジラ」では具体的にわかりやすく描かれています。


だったら 緊急事態にもっと効率的な政治体制はないのかというと、

かの有名な古代ギリシアの
哲学者 プラトンが提唱していた
哲人政治(1人の賢い人物に政治を任せる、いわゆる独裁政治体制のひとつ)があげられますが、世界史上 今まで 一度も長く続いたことはありません。


たとえば、古代ローマの英雄・カエサルは、終身独裁官となり、野心に支配され、最終的に弟子に殺されましたし、
フランス革命を完全に終わらせた英雄・ナポレオンであれ、自己保身と欲に駆られて、独裁者となり、最期は島流しに...。



民主政治であれ一歩間違えれば衆愚政治となりますし、
哲人政治であれ 、哲人(英雄や賢人)自身が自己の欲望を第一に考えてしまうような独裁政治になる恐れがあり、
どの体制が良いか悪いかなんてそんなに簡単に決められないものだなあと、
この映画をみて改めて感じます。



あいは