夏期講習の準備が大忙しで、
記事を書いているゆとりはないのですが
夏期講習費に大金を注ぎ込んで
果たして効果があるかどうかと
様々悩まれていると思いますので、
準備の手を止めて少々書きたいと思います。
「費用対効果」というのは
私は教育に当てはめるべきではないと考えます。
これはあくまで一般的なお話ですので
塾生の保護者様には誤解のないよう
お願い申し上げます。
「夏休みの学習は基礎重視ですか。
応用を鍛えますか。」
こういうご質問に
「基礎重視とは何ですか」と逆質問するのが
最近の流行りかもしれません。
しかし私は、相手に問い直さなくても
そのお子様の状況と保護者様のお考えを察して
「それは基礎重視でしょう」などと
答えるわけです。
しかし、それを伝え聞かれた別の保護者様が
「うちは応用をやりたいのですが、やはり基礎が大事ですか」
と私に確認される場合があります。
こういうやりとりに
この問題の本質が見えてきます。
私の答えは以上です。
なんて答えると、
私は真実を悟った者のように見えますね。
どなたかの影響を受けていますね!
私は誤解されることに無頓着なので、
気前よく何でも書きたいと思います。
まず,多くの方が気が付かれている通り
そのお子様の状況に合わせて
基礎重視か応用重視かは違います。
どちらかといえば
塾の戦略上で今どちらが良いか
という問題になるでしょう。
そもそもそのお子様の学力レベルによって
他の子にとっては応用問題でも
そのお子様にとっては基礎にすぎない場合があり
やはり個々に対応すべき問題なのだと思うのです。
もう少し具体的に、
四谷大塚でAとBの往復のようなお子様は
どう考えても基礎重視でしょう。
偏差値40台というお子様です。
しかし、基礎重視という言葉は
じつに奥が深いのです。
まず、それくらいの学力レンジの方は
まず日々の学習が手際良く進んでいきません。
ですから集中して学習できる夏休みに
しっかりと実力を伸ばさないと
秋以降に逆転はできないのです。
とことん詰めていくなら、
学習したことを
「満点返し」していかないといけません。
そういうお子様にとっては
算数なら演習問題集の「トレーニング」
が「本当は」適切な学習レベルなのです。
保護者様の多くは
学習したことを
「完璧に」マスターすることを好みます。
塾を辞めていかれないためには
お子様が満点となる教材内容を提示するのが
もっとも「塾が儲かる」戦略です。
私が考える本質はこうです。
中学受験の世界では
多くは合格最低点は6割前後で
学校によっては4割というところもあります。
なんとかそこに合格したい子にとっては
「最後まで」満点勝負にはならない世界において
どう得点するかが重要です。
夏休みの集中的な学習において
「トレーニング」レベルの学習は有効でしょう。
しかし、正答率5分5分というレベルにも
一定量取り組まれる必要があります。
入試問題の算数でいえば
ボーダー上の子が8割以上正解できる問題は
出題の5割程度でしょう。
そして3割くらいの問題は正答率5割程度
あとの2割の問題は
ボーダー付近のお子様は手がつきません。
私の感覚ではそんな感じです。
ですから
満点が取れる学習にどっぷりでは
結局本番では勝てないのです。
それを踏まえた上で
基礎とことんでも良いでしょう。
戦略が大事なのです。
愛岐ゼミより