続・付き人奮闘記 76 | chihiroの気まぐれブログ・これからも嵐と共に

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2021年1月。嵐さんの休業を機に、妄想小説を書き始めました。
主役は智くんで、メンバーも誰かしら登場します。ラブ系は苦手なので書けませんが、興味のある方はお立ち寄りください。

 

 

 

数日後、隼人の不起訴が決定した。

 

でもこれはあくまでも法律上では裁かれないと言う事で、実社会ではそう簡単にはいかない。

事件が明るみになってからずっと謹慎中だったけど、不起訴になったからと言って直ぐに解ける訳ではない。

 

不起訴になった事で一時収まっていたマスコミがまた騒ぎ出して、色々と憶測で記事を書いている。隼人の家にたむろしていた数人は万引きや窃盗罪などで逮捕されている。

それを隼人が何処まで知っていたかで争われていたけど、結局はっきりしたことは証明されずに不起訴になった。それを疑問とする週刊誌の記事やテレビのワイドショー。

 

これが少し収まらない限り復帰は無理だろう。

 

むしろ不起訴と言う結論が出たここからが本当の謹慎になるのだと思う。

 

 

隼人もそれはよくわかっている。

だから不起訴になったと知っても喜ばなかった。

 

「俺のゴールはそこではないから」

 

「うん。むしろ今からがスタートだね」

 

隼人が覚悟を決めてくれているのが救いだ。

 

 

 

そんな中、久しぶりに5人で会った。

5人全員でというのはなかなか会う機会がなくて、特に俺と相葉くんはマネージャーと言う立場上、現場にいる時間の方が長いから3人と会っている余裕はない。

 

相葉くんとは翼の事があるのでよく連絡は取っているけど、忙しいので会うのは久しぶりだ。

 

「翼の撮影は順調?」

 

隼人のことがあったから翼にも圭吾にも迷惑がかかっている。

 

「うん。頑張ってるよ。時代劇って初めてだったよね。

 その割には凄く所作も綺麗だし、相当役作りを頑張っていたんだろうね」

 

もう既に放送もされているから、5人でも「あのシーン良かったよね」とかいう話にもなる。

みんなに頑張っているのを認めて貰えて良かったね、翼。

 

 

「それで久しぶりに集まったのは幾つか話があるんだけど、まず隼人の不起訴が決まったから

 智もそろそろ現場に戻って欲しいんだ。隼人はもう一人でも大丈夫だろう」

 

「今はまだ無理だよ。マスコミがまた騒ぎ出しているし、隼人もまだ不安定だ。

 放っては置けない」

 

「他の人に頼めないの?」

 

「他の人に頼むなら俺が付いたって同じだろう。

 それに翼には相葉くんがいる。心配はいらないでしょう」

 

「翼は心配してないけど、もう一人忘れているだろう」

 

「圭吾?何かあったの?」

 

「マネージャーが代えて欲しいと言って来ている」

 

「マネージャーが言ってるの?」

 

「ああ」

 

「どうして?」

 

「それが分からない。特に問題があるとは聞いていなかったけど、

 元々上の人間には評判は良いけど、現場ではそうでもないんだよ。

 だけど理由がはっきりしない」

 

「それって慎吾に遠慮して周りが言わないとか……」

 

「それもあるかもしれないけど、そもそもはっきりとした理由はないのかもしれない。

 なんとなく肌が合わない奴っているだろう」

 

「だけどそんな事を言っていたらマネージャーなんて出来ないだろう。

 肌が合わないなんて理由にならないよ」

 

「俺もそう思って我慢して貰っているけど、いつまで続くかな」

 

 

そこまで話したら翔くんが口を挟んできた。

 

「その話はまた今度で良いだろう。それよりも早く本題」

 

やっぱり大事な話があったんだ。

今の状況でこれ以上タレントを増やすとは思えないし何だろうと思っていたら潤がやっと話した。

 

 

「まだ決定ではないからね。近い将来の話として聞いて欲しい」

 

潤にしては随分ともったいぶるなぁ。そんなに重大な話?

 

 

「今回の隼人の事で事務所と何度も話し合って翔くんとニノとも話したことなんだ。

 このプロジェクトを今の事務所から独立しようと考えている」

 

「え?」

 

「言っておくけど隼人の話がきっかけにはなったけど、俺自身としては以前から考えていた

 事なんだ。事務所の中にいたらなかなか思い通りに動けない。

 当然仕事の質は今までとは違ってくるだろうけど、俺達それぞれに人脈はある。

 それを生かせばやって行かれると思う」

 

潤に続いて翔くんが話す。もう既に3人で随分と話し合ってきたのだろう。

 

「連れて行くタレントは隼人と圭吾。それと翼は本人に任せようと思っている。

 それともう一人、大きな味方を確保した」

 

「味方?」

 

「慎吾さんだよ」

 

その言葉に驚いた。俺を覗いた4人は慎吾とは余り交流はない。

むしろ余り良い関係ではなかったと記憶している。

 

「圭吾の親でもある慎吾さんは、やはり一番味方になって欲しい存在だ。

 だけど今までは積極的に関わろうとはしてこなかった。

 でも独立に当たってやはり慎吾さんは大事な存在になる。

 だから何度も話し合って漸く協力を得る事が出来たんだ」

 

 

余りに思ってもいなかった話に俺と相葉くんは呆然としている。

 

 

「こんな大事な話を3人で進めたのは申し訳ないと思っている。

 だから最初に言ったようにまだ決定ではない。

 最後は5人で話し合って結論を出そうと思っている」

 

「勝算はあるのか?もう俺達も冒険できるような年齢じゃないぞ」

 

 

やっぱり隼人の事を巡って事務所とうまく行かなくなったのではないかと俺は思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

少々現実とリンクする部分もあって不快に感じる人もいるかもしれませんが、

あくまでもフィクションですので、ご了承ください。