ついに、


念願だった農村に連れて行ってもらった。



同じアイセックハウスに住んでいる研修生のNGOの人に頼んで連れて行ってもらうことになったのだ。

彼らの今回の目的は、農村でのHIV啓蒙活動と簡易テストの実施。一泊かけて行う。
それに同行させてもらったのだ。




車でおよそ4時間~5時間。アスファルトなのに半端じゃない悪路をガタガタ猛スピードで進んでいった。

驚いたのは、道路の雰囲気からも明らかに田舎に郊外に進んでいるにもかかわらず、30分に一回ほど現れる村のいくつかには人がわんさかいるところもあったということだ。

やはり人が多いんだと思う。鉄道が通れば物や人の流通がはるかにスムーズにいくのにと思った。せっかく石油もあるんだしね。




そしてもう一つ。景色がものすごくきれいだ。
立体的な雲、道路には蜃気楼、周りには時に一面に広がる草原、時に美しい山肌。
山を越えるときは靄が上のほうからかかっていて、霧の中なのかそれとも雲の中を通っているようだった。

空気がきれいだからだろう。ちなみに星空もものすごくきれいだ。



鉄道なんて通らなくていい便利じゃなくていいって思った。
たぶんそこに暮らしてないがゆえに思うエゴだ。



農村に着いたのは夕方だった。
長老に挨拶して、次の日の説明を受けて、泊まるとこに案内されて、夜ごはんを食べた。
トイレどこって聞いたら、あっちの茂みだよって言われた。




夜は電気がなく真っ暗なので、もう寝るものと思っていた。




しかし、村の広場に行くと、テレビが置いてあって村人がわらわらと集まってきた。


そして200人ぐらいの村人が皆で一つのテレビを見てる。

内容は、テレビの中で人が歌って踊ってる。NHKでやってそうなやつだ。



谷口さんがアフリカの村って感じだよねーって言ってた。まさにそんな感じ。



そのあと、NGOのおばちゃんが、ハウサ語で性感染症は怖いからコンドームを使いましょーというレクチャーをビデオを使いながらしてた。





村の人は皆本当に楽しそうに生活している。



当たり前といえば当たり前なのかもしれないけれど、
貧困で困っていますというような雰囲気は彼らからは全く出ていない。



貧しいけれど楽しく暮らしていた―――どこかの昔話で聞いたことがあるようなフレーズだ。





幸せってなんだろう



きっと誰もが一度は考えるテーマを俺も考えながら床に就いた。


次の日に続く…