以下ミシェル・フーコー 「狂気の歴史」新潮社刊より抜粋

 

P.46

人間は自分が正しく見ているし、

物事の正しい尺度であると信じている。

人間が世界にかんして抱いている、あるいは

そう信じている認識のおかげで、

その自己満足は強くなる。

 

P.47

無謀な矛盾に落ち込んでいないものは何もなく、

人間をして彼自身の狂気に執着せしめないような

ものは何もないのであって、

本質や神がもっている真理に照らしてみると、

人間の次元に属するもの全ては、

狂気にほかならない。

しかも神に近づくために狂気から離れようと

努める動きもまた、人間の次元では狂気である。

 

抜粋以上

 

ボッシュ 「阿呆舟」