父親の実家を私が管理することになり月一で掃除やら墓参りやらをしている。
そんなある日1匹の猫が家の周りにいる。
近づくと逃げた。
たまにいるので気にもしないでいた。
それからしばらくたったある日、鍵を開けて中に入るといつもとなんか違う。
人が入ったのか、それとも幽霊?
霊感らしい霊感はないが気というかなんというか場の雰囲気とかちょっと何かが違う。
私は車に乗っていると何かを感じると大抵事故やらネズミ捕り、白バイで隠れて?いる人と目があったりする。
またある部屋とか病院とかのある場所に淀んだ空気を感じる、ちょっと霊感のある妹に聞くと私もと、そんな説明できない能力?がある。
空手とかいろんな武道をしてきたからかもしれないが。
その日は何も見つからなかったが翌月はいつも通り。
また翌々月ぐらいからあれ、なんか障子がおかしい。
前から破れていたような気もするがこんなに破れていたか。
カギは閉めている。誰も入れない。
しかしなんか違和感。
襖を閉めて誰か入ったらわかるようにして家を出る。
翌月、入るとなぜかムカデが。
それも2匹。
今まで見たこともなかったので驚いた。
よく見ると頭がつぶされている。
不思議だ。
そばにはなぜか魚の釣り餌が開かれて置いてある。
ムカデが食べるのか?
でも輪ゴムで縛ったはずの餌が開いてしかも置いた場所から移動。
?????。
部屋に入ると仏壇の中の物が倒れている。
地震?
しかし障子が以前よりやぶれている。
これはおかしい。
もしかして猫?
しかし入れるはずもないし。
家探しをしようと障子を開けるとうず高く積まれた物の上になんと猫が。
以前見た猫かどうかわからないが似たような色。
追い出そうとしたがいつのまにかいなくなっている。
よくみると天井に大きな穴が。
屋根の一部が破れているのかどうやら雨漏りをしていた形跡。
屋根から侵入したのだろうか、それとも?
ムカデも猫がやっつけたのかそれとも外部から持ってきたのだろうか?
仏壇の中が倒れていたのも猫が?
そして翌月、猫を捕獲しようとしたがいない。
どうやらあれから出ていったのだろうか。
仏壇もほかに荒らされた形跡もない。ムカデも当然いない。
安心して屋根の修理を頼む。
見に行ってみると修理はいつのまにか終わっていた。
中に入ると修理の人が入ったからだろうなんかいつもと雰囲気が違う。
気にせず仏間に入るとなんと猫が!
寝ているので声をかけるが動かない。
もしかして!
電気をつけると仏壇の前に線香をあげるときに置いている座布団の横に寝そべるようにして猫が死んでいた。
よく見ると虫が集っている。
死んでどのくらいたっているのか解らないが屋根の修理が訪れた日の数日間に行われたようなのでその間ではと。
なぜならおそらく屋根を修理したことにより出入りができなくなり閉じ込められたのだろう。
食べ物がなくなり餓死?もしかしたら病気か寿命か?
ただ部屋のいろんなところを見たがトイレをしている形跡や荒らされている形跡があまりない。
ただ座布団には尿を排泄したような形跡が。
しかしよく考えると仏壇にお供えしている袋に入ったお菓子やら粉末の飲み物には手を付けていない。
食べようと思えば食べると思うのだが?以前の時も触った形跡はなかった。
魚の釣り餌を確かまだあったはず。
謎なのだがそれよりなぜ仏壇の前で死んでいるのだろうか?
先祖は信心深い人なので離れには弘法大使、仏壇の横には別に不動明王を祭っている。仏間なので他の先祖の遺影も周りにある。
そんな場所で仏壇の前でおそらく生きているときは仏壇を眺めながらいたのだろう、そのまま眠るように。
しかし座布団は他にもあるし寝室にはベッド、ちゃぶ台にも座布団が。
これを見たときなんかフランダースの犬を思い出した。
もしかしたら何かを猫も見たのだろうか?
それとも信心深い猫で死ぬときは仏壇の前で・・・。
猫でさえもお供え物には手を付けなかったのだろうか。
亡くなった母親は霊感が少しあり、私が子供の頃この家に泊まった時階段から足音がしたので障子を開けてみると誰もいない。
尋ねてみると誰も来ていないとか、ある時は亡くなった先祖が夢?に現れこのことを話すとその人物の何周忌!
そんな家なので何かを猫が見てもおかしくはない。
ちなみに猫は庭の草木の生い茂ったところに自然に帰るようにしました。