小学生の頃、釣りブームがあった。

私もそのブームが少し来る前ぐらいからと友達のすすめもあり釣りをしていた。

釣りキチといわれるくらい毎週、平日でも釣りをするくらい好きだった。

これは中学生のころだったか忘れたがヘラやフナ、鯉用の釣り餌を当時何種類も買い込みいろいろためしていた。

たいていの釣り餌を試して、使わないのはビニール袋にいれ輪ゴムで止めて湿気らないようにしていた。

いま考えると保管場所がちょっといけなかった。

湿気のある場所に保管していた。

普段は人が出入りしない場所。

しかしそれでも当時も毎週釣りに行くくらい行っていたので問題はなかった。

しかしだんだん勉強が忙しくなり釣りに行く回数も減る。

そしてまったくいけない日々が続いた。

ある日久々に釣りに行くことになった。

釣り餌を取ろうと餌がたくさん入っている箱の中からビニール袋を取り出す。

ん。

なぜか真っ白。

1つならまだいいがどれもこれも真っ白。

白い餌は確かにあるけどどれもだ。

よくみるとなぜか膨張したように膨らんでいる。

なんだろう。

最初何が何だかわからない。

じっくり見てみる。

1つ1つがちょうど楕円形の形。

あ、これは。

繭。

昔テレビで見た蚕の繭だ。

するとこれは蛾の繭か。

それが袋一杯に膨張するくらい膨らんでいる。

それが箱の中に何袋もある。

10や20じゃない、30はある。

考えるだけでも恐ろしく、私はそれ以来その箱をみないようにした。

もちろん近くにも近づけない。

そのときはもう蛾が孵っていたのかそれともまだ中にいたのかは定かでない。

その後その箱は洪水で浸かってしまったので両親が捨てたとのこと。

今でも考えると蘇る恐ろしい体験。