カワウ河鵜、川鵜は、カツオドリ目(以前はペリカン目に分類されたSibley分類ではコウノトリ目に属する)ウ科に分類される鳥類の一種。名前の由来は文字通り「河(川)」に生息する「鵜」である。ただし、河川のみならず、河口付近や湖沼、浅海域でも普通に見ることができる。 

日本では主として本州、四国、九州に繁殖地があり、留鳥(または漂鳥)として生息する。本州北部では夏鳥として繁殖し、青森県の下北半島に位置する六ヶ所湖沼群が繁殖の北限とされていたが、2001年(平成13年)には北海道でも繁殖が確認された。北海道には夏鳥(3月中旬-11月上旬)として飛来するほか、冬鳥として九州、対馬伊豆諸島小笠原諸島聟島父島母島)、奄美群島琉球諸島(沖縄島、久米島、伊是名島、渡嘉敷島、宮古島、石垣島、西表島、与那国島、波照間島)、大東諸島北大東島南大東島)が知られている

生態

主に河川部や湖沼などに生息し、近年は個体数が増加した影響からか海上でも見られる。本種の主なエサであるコイなどが、人の手による無計画な放流により上流域にも生息するようになったので、本種もまた山間部など上流域に進出している。

カワウは群れで溜まる場所をいくつか持っており、そこで休息と睡眠をとる。夜明けには採餌のために隊列を成して餌場に向かい、夕方になると再び群れでねぐらに戻る。群れでの飛翔時には、V字形に編隊を組んで高く飛ぶことが多い。1日の移動距離は10-20kmとされる

このねぐらの内からコロニーを水辺に形成し、繁殖を行う。この群れは数十羽から数千羽にまで及ぶこともある。季節を問わず冬でも繁殖できるが、営巣活動は春先と秋に特に活発である。一夫一妻で、枯れ枝などを利用して樹上や鉄塔などに皿形の巣を作る。