大津市の県道交差点で信号待ちしていた保育園児らの列に車が突っ込んで園児らが死傷した事故を受け、園児が通っていたレイモンド淡海(おうみ)保育園(大津市)を運営する社会福祉法人檸檬(レモン)会(和歌山県紀の川市)が8日午後6時前、大津市内で会見を開いた。
会見の冒頭、法人の前田効多郎理事長は「大変な驚きと同時に心を痛めている。園児の未来を思うと残念でならない。心より哀悼の意を示しご冥福をお祈りする」と話した。
若松ひろみ園長は、亡くなった2人の園児のことを聞かれ、「とても素直で、いつも笑顔で……。ごめんなさい」と話し、ハンカチで顔を覆い、泣き崩れた。いつもと変わらない様子で園を出たという。
容疑者「前をよく見ていなかった」 大津の園児死亡事故
8日午前10時15分ごろ、大津市大萱(おおがや)6丁目の丁字路の県道交差点で車2台がぶつかり、うち1台がはずみで保育園児の列に突っ込んだ。滋賀県警によると、近くのレイモンド淡海(おうみ)保育園に通う伊藤雅宮(がく)ちゃん(2)=同市大江5丁目=と原田優衣(ゆい)ちゃん(2)=同市大江2丁目=が死亡。男児(2)が意識不明の重体となっている。ほかに2~3歳の園児10人が重軽傷、引率していた保育士3人も軽傷を負った。
県警は、車を運転していた無職の新立(しんたて)文子容疑者(52)=同市一里山3丁目=と無職の下山真子(みちこ)さん(62)=同市=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕。下山さんについては、8日夜に釈放された。
県警によると、交差点で右折しようとした新立容疑者の乗用車と、直進してきた下山さんの軽乗用車が接触。その後下山さんの車が、散歩中に信号待ちをしていた園児らがいる歩道へ突っ込んだとの目撃証言があるという。
新立容疑者は「前をよく見ていなかった」、下山さんは「右折車をよけようとハンドルを左に切った」との趣旨を供述。2人は、それぞれ別の大型量販店から帰宅する途中だったという。2人にけがはなく、同乗者もいなかった。
現場はJR琵琶湖線瀬田駅の北西約1・5キロの湖岸道路。約200メートル南に、園児らが通うレイモンド淡海保育園がある。