暦の上で春が始まる日とされる「立春」の4日、日本列島は前線を伴った低気圧が日本海から北日本に通過した影響で本州に南風が吹き込み、北陸で春一番が吹くなど、広範囲で春めいた陽気となった。ただ気象庁によると、5日は気温が大きく低下し関東で冬の気候に逆戻りする見込み。北日本や北海道でも猛吹雪となる恐れがあり、交通障害などに警戒が必要だ。

 

 気象庁によると、3日から4日にかけて2つの低気圧が日本海を東北東に進んだため、本州で強い南風が吹いた。この影響で、都心では平年より9・7度高い19・4度、仙台市青葉区でも9・9度高い12・4度と、3~4月並みの暖かさとなった。

 

 北陸では4日、平成11年に情報提供を始めて以降、最も早く春一番が吹いた。関東では神奈川県や千葉県で南寄りの強い風が吹いたが、東京都や北関東の内陸部まで吹き込まず、春一番とは判断されなかった。

 ただ、低気圧が北海道の東に抜けた4日午後からは冷たい北風が吹き、一気に気温が低下。5日は関東などで高気圧に覆われる見込みだが、気温は平年並みに戻るとみられている。

 一方、北海道や東北では4日から5日にかけて非常に強い風が吹き猛吹雪となる地域がある。海は5日にかけてしける見込み。

 5日にかけて予想される最大風速は北海道25メートル(最大瞬間風速35メートル)、東北20メートル(同30メートル)。予想される波の高さは北海道、東北5メートル。

 気象情報会社「ウェザーニューズ」によると、4日に19・4度まで上昇した東京都心の気温は5日未明には3度程度にまで下がる見通しで、1日の気温差は15度を超えるとみられる。寒暖差が大きくなると、自律神経が乱れて頭痛や肩こりなどの症状が現れることがあり、専門家は注意を呼びかけている。

 寒暖差疲労は、気温が大きく上昇したり低下したりすることで体内の環境を一定に保っている自律神経に負荷がかかり、疲労が蓄積することによって起こる。冷え性やめまい、肩こり、頭痛、全身の倦怠(けんたい)感など症状はさまざまだ。

 自律神経のバランスが乱れることで鼻の奥の毛細血管が詰まって鼻の粘膜が腫れ、鼻水が出る「寒暖差アレルギー」と呼ばれる症状が出ることもあるほか、体力を奪われれば風邪やインフルエンザなど別の病気にかかる恐れも増す。

 「寒暖差疲労外来」を設置しているせたがや内科・神経内科クリニックの久手堅(くでけん)司院長は、「寒暖差疲労は、気温が7度以上変化すると症状が出やすい。手足の末端部のマッサージや、しっかりと湯船で体を温めることが効果的。症状が重ければ病院に相談してほしい」と話している。