言わずと知れた超高級焼肉店「叙々苑」。私(あひるねこ)のような平民にはまったく縁のない場所だと思われたが、先日ついに……ついに人生初「叙々苑」の機会がやって来た! しかも上司の金で。

 

「叙々苑」ってあれでしょ? 芸能人がこぞって行くようなトコでしょ? そんな高い店で僕も焼肉を食べられるようになりましたよ、お母さん! 興奮を抑えきれない私だったが、結果から言ってしまうと、肉を焼く前に帰りそうになったでござる。

 

 

・奇跡が起きた
きっかけは突然だった。上司である Yoshioと新宿を歩いていたところ、昼飯でも食おうという話になったのだ。いいっすね、どこ行きます? 私が尋ねると、Yoshioは周囲を見回した後、こう言い放った。
「叙々苑でも行くか」
じょじょじょ、ジョージョーッ!? それってあのジョジョジョジョジョ……俺は人間をやめるぞォォォォオオオオ! 怯える私に向かって、Yoshioはこう続ける。
「(数日前)誕生日だったんでしょ? おごってやるよ!」

こんなことがあっていいのだろうか……? ついに上司のおごりで叙々苑に行く日が来ましたよ、お母さん。こうして我々は新宿の叙々苑に入ったのだった。
 

 

・初めての叙々苑
薄暗い店内。席が半個室風になっているのでよく見えないが、それなりにお客は多いようだ。さて、Yoshioが注文してくれたのは税込2500円の『焼肉ランチ(S)』である。ランチで2500円って……いつも買ってる500円の弁当が5個買えますがな。
肉を待つ間も、これが叙々苑か……という感慨に浸る私。目の前には叙々苑のロースター。
叙々苑のウーロン茶。そして……。
叙々苑のおしぼり。
叙々苑叙々苑言いすぎてゲシュタルト崩壊を起こしそうになったぞ。とそこへ、ついに2500円のランチがキタァァァァァアアア! こここ、これが……叙々苑の肉……!!

他にもキムチにナムル、スープにサラダ。ライスは大盛り無料だわっしょ~い! いやぁ、贅沢すなぁ。
 

 

・ますはサイドから
ふと見ると、Yoshioはすでに肉をガンガン焼いている。この男にとっては叙々苑さえもただの日常に過ぎないのか。私もすぐに肉を焼きたいところだが、なんだかもったいない気がしてキムチなどから始めてみたり。
贅沢すなぁ……。
そして、私が次に箸をつけたのがサラダである。この出会いは、衝撃に他ならなかった。

一口食べると……ウ、ウマぁぁぁぁぁぁぁああ! サラダ菜やキュウリを胡麻風味で味付けした極めてシンプルなものながら、一体何なのだこの異常なウマさは!! そういえば名前だけは聞いたことがある。これが噂の『叙々苑サラダ』というやつなのか……?
 

 

・もはや異次元
見てくれこのキュウリ。皮がむいてあるぞ。なんて上品な。ていうかヤバイよコレ、止まらないんだが! 食べれば食べるほど……んぉほおおおお! あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙! 待って待ってちょっと待って! しゅごいしゅごいしゅごいーーーーーーーーーー!!
気付いたらなくなっていた。
・すでに満足
今のは一体何だったんだ……? まるで白昼夢である。こうして謎にウマいサラダをむさぼり尽くした私は、それで満足しきってしまい、そのまま帰りそうになったのだった。

– 完 –
 

 

と思ったけど、さすがに肉は食べたいのでまだいることにした。
網に乗せた肉をじっくり焼いて、
タレに付けたら……

あぁむ!
 

\(^O^)/ ウマい \(^O^)/
サラダもウマいし肉もウマい。しかも上司がおごってくれるなんて、生きてるって幸せだな。生まれて初めて叙々苑に来た私は、『叙々苑サラダ』のウマさに魂を揺さぶられ、その結果、生の喜びを知ったのだった。
– 完 –