最近、周囲の港区女子が、港区飲み会に飽き気味である。ハイスペックな男性はだいたい多忙なため、自分のペースよりも男性側のペースに合わせないといけないことがまず大きい。それでも素敵なハイスペ男性と出会えるなら飲み会に参加する女子は多いのだが、このごろ「港区女子」の話題がテレビなどでも取り上げられたせいか、「エセ港区おじさん」が続々と飲み会に参加するようになったのだ。要するに、男性の質が……なのである。

 

 

 これまで港区飲み会の主体になってきた20~30代の超多忙で仕事も遊びもバリバリ楽しんでいる「ハイスペックエリート」ではなく、経済力はあるけど暇なおじさんたちが少し女子にご馳走したり、小銭を見せびらかしたりすればモテると勘違いして飲み会に参加する姿が目立つようになった。LINEで出たばかりの新スタンプを活用したり、SNOW(ARカメラアプリ)まで使いこなして悦に入っているおじさんにはげんなりである。

 タワマンで経営者が集まるパーティがあるというから行ってみたら、いいのは主催者くらいで、あとの人たちは小金持ちのエセ港区おじさんばかりということも珍しくはない。
 
 たとえば、「めっちゃ可愛い! マジ好み。俺、来月バリかグアム行くけど、スウィートとるから一緒に行かない?」と誘ってきて、「見てよ、これ、前回のグアム!」と言いながら自分の単独写真(しかも自撮り)を何枚も見せてくる承認欲求強めの目的不明おじさん。
 
 お金払いは良くて、優しいんだけれど、「わたくし今年で53歳になりますが、皆さんのような女性からして、53歳はありでしょうか?」と質問してくる、わきまえすぎたおじさん。
 
 こうしたエセ港区おじさんは、経済力はあってもこれまで若い女性とちゃんとコミュニケーションしたことがなく、ちょっとした港区女子ブームに乗って現れただけだから、私たちはけっこうなギャップと距離感に戸惑わされる。
 
 以前から活動している周りの港区女子の間では、エセ港区おじさん流入にともなって、徐々に年下の「ハイスペの卵」と会うのがブームになりつつある。
 

 

「年下なのに頑張ってくれてる姿が健気で可愛い」
「年下にご馳走されたときの感動は、いい」
「説教がましくなくて好き」

「会いたい時に会えるからいい」
 

 

 彼女たちは年下の魅力をそれぞれこう語っている。

 もっとも、テレビで取り上げられたからか、新たな港区女子も流入していて、エセ港区おじさんの相手をしてあげているから需要と供給のバランスは取れているのかもしれない。が、新参の港区女子にはぜひ本物のハイスペ男性と出会う喜びを味わってほしいとも思う。