新年早々「あってはならないこと」が起こってしまった。人間は「自分の恥・不注意」を人前に晒すのには「勇気」がいる・・・ではなく「このままではいけない」というような気持ちがどこかで働き、自分自身のためにも人のためにも少しは恥をかいてもいいのではと思っいながら書き始めている。事の起こりは・・・新年早々の給料日の1月10日のことである。仕事が終わり、午後5時に三菱東京UFJ銀行茨木支店のATMコーナーに寄り、家内への「1月分の生活費」として【8万円】を引き出して、銀行の白封筒に入れて、リュックの中に収めて、帰宅してから夕食後、家内に渡す前に白封筒の中身を確認した。・・・・・・
「ええエッ~、何が起こったん、何で4万円しか入ってないん?」・・・この時の驚き様は「狐につままれ」「タヌキに騙され」「頭の中は真っ白」・・・・「全く理解できない状況が突如発生!」・・・白封筒の中を再確認し、リュックの中を再確認し・・・・ATMから出金した直後のことを詳細に思い出そうとしていた。丁度ATMには4~5人の列ができていた。毎日普通電車に乗らないと帰れないし、待ち時間が長いので、次の発車時間まであまり時間がなかったので少しばかり焦っていたし、列ができているとどうしても気持ちが急いてしまう。確かに現金を引き出して左手で現金を掴んで、「大金だから」という想いがあって、コーナーの中で白封筒に現金を入れて、リュックに収めた。・・・でも、あの時、左手には定期いれ・カード・白封筒・現金8万円と右手にはリュックがあった。ATMは取り忘れの【警報】が鳴っていたという記憶も無い・・・・・「一体全体、何が起こったんや?」・・・
でも、今日は金曜日で、もう銀行も閉まっている。明日から「三連休」が始まる。「現金なんか忘れたら誰も届けないよな!・・・でも、ひょっとしてATMの機械から取り忘れた可能性もあるなあ」・・「いや、ひょっとして8万円引き出すつもりで、実際には4万円と押し間違ったんやろか????」「ほんの10秒間くらいのことやから、何ぼなんでも手元から落としたら気が付くと思うけどな・・・・」「でも、良く考えたら、ATMの機械から現金を取り出したときも、白封筒に入れるときも目立つのがイヤで、現金が8万円あるかどうか確認しなかったよな・・・あああ・・・失敗したなあ・・・4万円って大きいで・・この件は嫁さんには話されへんわ・・・・アホやなあ・・・・話したりしたらボロクソに言われるやろなあ!」・・・

翌日、テニスに行く際に、鳥飼五久にある同銀行で「通帳記入」をして、「8万円出金」していた事実を確認する。しかし、その際不思議なメッセージがATMの機械から放送された。「お忘れ物がございます」と。内心、とても嬉しく思った。カード使用の際に、当人に「忘れ物」や「トラブル」があったことを知らせるようにシステムに情報が入れられているんやと安心したんです。そして【オレの思い違いで4万円と記帳されることを期待したのに・・・・そんなわけないよなあ】・・・・その日はテニスと新年会で、そんなことは忘れ去って楽しませてもらった。「過去」「過ぎ去ったこと」「過ち」「失敗」「うっかりバカ」に執着と言うか、頭にこびりつくように悩んでしまうと何事も楽しくなくなる。「精神衛生上」も良くない。だから、頭の中は即座に切り替えてしまう。13日も図書館に行ったり、DVDを観て過ごした。
やっと連休明けである。出勤して早々に【銀行までの私用外出】を申請させてもらった。ATMコーナーの防犯カメラにきっと「ヒント」になる何かが写りこんでいる可能性がある。【お忘れ物がございます】と確かに機械から女性の声で喋ってくれた。少しは「期待感」がある。銀行のフロントの女性に「経過」を話すると、暫く待たされて「それなりのポスト」の男性が対応してくださる。そのOさんに詳細な経過を話し、通帳と身分証明となる【運転免許証】を「少し預からせてください」といわれる。待つこと10分ほど・・1時間の私用外出しか申請していないので、長くなると「体育授業のサポート」という仕事にも支障ができる。するとその男性職員が別のコーナーに私を呼びいれて【日垣さんの言われている4万円の拾得物の届出が、お申し出の時間直後に当銀行にされていて、受理した後、その前の永代町交番に届出をさせていただいています。時間的にも金額的にも全て符合していますので、日垣様の4万円に間違いないものと考えています】・・・とのこと。この時代、消費税も8%に上がり、格差社会も著しく、世知辛い世の中だと思っていたのに、4万円の現金を銀行が閉店した後に電話連絡して届けてくださった方がいるなんて・・・・「年配の女性」だったとのことですが、「姓名も連絡先も一切教えられなかった」そうです。○○さん、ありがとうございました。
その足で、すぐ「茨木警察」に行きました。10日のことですから、交番で「現金4万円」を保管しているはずもありません。「拾得物届けNo.6709」をメモして、【落し物窓口】に経過とNoを報告すると、まず「遺失物届けの用紙」【拾得物返還書類】「受領書」の記載を依頼されて、結果、嬉しいことに「現金4万円」が4日ぶりに手元に戻ってきた。手続きや待っている間に、男性3人女性一人が「紛失届け」や「拾得物の返還要求」に来られていた。財布や自動車免許証・携帯電話・・・お互いに「慌てたらあきませんね」と反省。そして「ああ、良かったわ!」と腹の底から搾り出すような一言を言われて警察署を出て行かれた。銀行のOさんにも言われたが、「急いでおられる場合もあると思いますが、その場で確認される習慣を付けられた方が良いと思いますよ」とアドバイスされたし、つくづく、自分の手元から4万円もの現金が落ちたのに、それに気づかなかった自分の「行動パターン」にビックリしてしまった。猛反省が必要である。自分が大したことでも無いのに「慌てる」姿勢はどうしても修整しておいたほうが良いと思う。
【私用外出】させていただいたので、支援の先生にも報告をさせていただいた。「信じられないねえ」「良かったですねえ」・・・・私も「ほんとに、信じられないですわ」・・・・S先生が「私も届けると思うわ。たった4万円のことでドキドキするのもイヤやし、そんなことでクビになったりしたら・・・」「1割の4千円もらえたのにねえ」「そんな人は4000円なんて期待していないし、辞退されるんじゃないですか」・・・・いろんな意見が出てくるが、物を落としたり忘れたりしたことがほとんど無いですねえというK先生もいた。何か性分的に忘れ物をしやすい「傾向」があるように思う。
自宅に帰り、夕食の「あんかけ焼きそば」を食べながら「和美、お前って小さいときから忘れ物したり、落し物したりしたことあるん?」と尋ねた。女の直観が働くのか「お父さん、何か大事なもん落としたん?」と逆尋問をされてしまった。「いや、今日、支援の先生と物忘れや忘れ物の話してて、俺もよく忘れること多いから、一般的にはどうかなあと思ったんよ。和美は余り落し物とか忘れもんせえへんもんな」など、ちょっと方向転換しながら、本音を聞きたいと思った。「私は小さい頃からのんびり、ゆったりしてるから物落としたり忘れたりするようなことはめったにないよ。落としても直ぐ気づくから大丈夫」「そういえば、お父さんはワイン忘れたしね!」・・・・「ええっ、ワイン、何のことや?」・・「もう、忘れてんの?たった2ヶ月ほど前のことですよ!」「2ヶ月前・・・・え~と、ワインっていつのことや?何のことや?」・・・・・・・・
やっと思い出した。友達の家に紙袋に入れたワインと、カバンを持って出かけた。自転車のカゴに入れて、その時も電車の時間が気になって、慌ててカバンだけを持って、カバンの下に入れたワインを置き忘れてしまった。電車に乗ってから気づいて、家内に電話して「自転車のカゴにワイン忘れてしもたんや、悪いけど、駅前のウインナという喫茶店の横に自転車止めてるから回収しといてくれへんかな!」と依頼して、回収してもらったことがあった。そのことを思い出すのに、暫く時間がかかってしまった。
確かに、家内が言うように、俺が忘れ物や落し物した状況は、いつも「急いでいる」「慌てている」といった状況が常にあるし、手に複数のものを持っていることが多いし、「~しやすい状況」が共通して揃いすぎている。今回の一件は「ある意味の啓示」だと考えておいたほうが、自分のためになると思う。今後も「家族」を巻き込むようなミスをしないように、「ゆったり」「のんびり」「手に余るものを持たない」といったシンプルな生き方をベースにおけるように「意識」したいと思う。
平成19年12月10日「遺失物法」が変わり、落とし主がわからない、又は取りに来なかった落とし物が、拾い主のものになる期間は6か月から3か月に短縮されている。遺失物の権利が無くなる前に速やかに取りに行くことは勿論だが、今回のように「現金」でもちゃんと警察に届けてくださる方が、未だに健全な社会の一員として【存在】されておられることが嬉しかった。でも、「誰しもが届けてくれるのか?」と自問自答すると、クビを傾げたくなる社会情勢がある。諦めずに銀行に問い合わせて良かった。でも、まずは「物を落とさない努力、生き方」をすべきだと思います。電車の運転手や車掌さんのような「指差し確認」ではないですが、自分が行動している「速度」は、まず慌てないこと。そして、特に現金など貴重なものを扱う場合は、「確認作業」を中に組み込む必要性を強く感じました。そして、席を立つ場合は後ろを振り向く習慣を身につける。ポケットには物は不自然に入れない・・・どんな弾みで物がポケットから飛び出すか分からない。複雑にポケットを使用しないことが肝要だ。・・・・常に「時間的余裕」を持って行動すること。などなど・・・・・自己の【行動パターンの分析】が必要だと思う。
ゆったり・のんびりが「人生」を歩む速度・・「落し物」「忘れ物」は「認知障害の前兆」と自覚すべし!
「忘れ物をしない、落し物をしないための10か条の心得」を作成予定・・・乞う、ご期待!!!


