帽子をかぶった富士山「笠雲」が出現
今日16日(土)は静岡や山梨では青空が広がり、朝は富士山がキレイに見えていました。ただ、8時頃から山頂付近に雲が出来はじめ、帽子をかぶったような姿となり、2時間ほどですっぽりと雲に覆われてしまいました。
▼ライブカメラ早送り動画 7:30-11:00
山梨県忍野村に設置されたウェザーニュースのライブカメラには、帽子のかたちが徐々に変化してゆく様子がとらえられていました。■ 最新のライブカメラ映像
富士山七変化
富士山の周辺からは、この雲の写真がたくさん投稿されました。同じ地点から同じ画角で撮られた写真でも、帽子がどんどん形を変えているのがわかります。この記事冒頭の投稿写真には「風向きが北から南へ変わると富士山頂には笠雲が現れ、風の強まりと共に姿を変え、現在は“レンズ笠”のような強風を暗示する姿になっています。」とのコメントが添えられていました。
この帽子の正体は「笠雲」
山の頂上付近に雲がかぶさることがあります。このような雲が「笠雲(かさぐも)」と呼ばれます。以下のような状況のときに発生します。
上空を流れる湿った空気が山の斜面にぶつかることによって、強制的に上昇して雲ができます。このとき、上空の風が強いと、風上側の斜面で雲が発生。風下側の斜面では雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、山頂付近で雲が止まって見えます。上空が湿っているということは、雲が発生する条件がそろい始めている証拠。そのため、笠雲が見えると天気が下り坂のサインと言われます。
午後は雲が優勢に
笠雲が示すとおり、今日の富士山周辺は午後ほど雲が多くなっています。前線に近い南側のエリアほど雲が優勢となり、伊豆半島などではにわか雨の可能性があります。あす日曜になるとこの雲も少なくなり、お出かけ日和となりそうです。